炎症性腸疾患(IBD)

炎症性腸疾患とは

体内にウイルスや細菌が侵入したとき、これらを追い出そうと反応するのが免疫システムです。免疫システムが働くと、腫れや痛み、発熱などの炎症が引き起こされます。腸内において、免疫システムが正常に機能せず炎症が過剰に起こり、腸自身を傷つけてしまう病気を「炎症性腸疾患」といいます。

炎症性腸疾患のうち、炎症を起こす原因が不明なものを「非特異的炎症性腸疾患」といい、その代表的な疾患が「潰瘍性大腸炎」と「クローン病」です。これらは慢性の病気で、難病に指定されていますが、適切な治療をして症状を抑えることができれば、健康な人とほとんど変わらない日常生活を続けることが可能です。

 

主な症状

血便
下痢
腹痛
吐き気
発熱
体重の減少 など

潰瘍性大腸炎

潰瘍性大腸炎とは

潰瘍性大腸炎は炎症性腸疾患のひとつで、大腸の粘膜に炎症または潰瘍やびらん(ただれ)ができる原因不明の慢性の病気です。主な症状は、血便、粘血便、下痢や腹痛などです。病変部位は、直腸から連続的に広がり大腸全体に及ぶこともあります。また、長期にわたり良くなったり(寛解)、悪くなったり(増悪)を繰り返します。20代を中心とした若者に好発し、患者数は年々増加し、現在約18万人です。

治療法

薬物療法

薬物療法としては、5-ASA製剤が基本薬となり、炎症が強い場合には、ステロイドが用いられます。その他に、免疫調節剤や生物学的製剤などが用いられることもあります。

●5-ASA製剤(メサラジン、サラゾスルファピリジン)
腸の炎症を鎮める働きがあります。活動期の症状改善と寛解を維持するために使用されます。経口薬の他に坐剤や注腸剤もあります。

●副腎皮質ホルモン(ブレドニゾロン)
強力な炎症抑制作用を示す薬剤で、活動期に炎症を落ち着かせて寛解を導入する効果に優れています。長期に大量に使用すると副作用が発現する可能性があります。その為、寛解維持では使用されません。経口薬の他に坐剤や注腸剤もあります。

●免疫調整剤(アザチオプリン、6-メルカプトプリン、シクロスポリン、タクロリムス)
潰瘍性大腸炎には過剰な免疫反応が関係していると考えられています。この薬は免疫反応を抑制するものです。薬剤の濃度が安定するまで数ヵ月かかる場合がありますが、活動期の症状を寛解に導く効果と、寛解を維持する効果、ステロイドの使用量を減らす効果があります。

●生物学的製剤(抗TNF-α抗体製剤:インフリキシマブ、アダリムマブ、ゴリムマブ)
潰瘍性大腸炎ではTNF-αという体内物質が過剰に作り出され、これが炎症を引き起こしていることがわかっています。このTNF-αの働きを抑える薬です。他の治療で十分な効果が得られない患者さんに対し、高い改善効果が期待できます

血球成分吸着除去療法

潰瘍性大腸炎には、活性化した白血球が関与していると推測されています。そこで、それを除去することで、大腸粘膜の炎症や症状の改善を得ようと期待して開発されたのが血球成分吸着除去療法です。

治療方法は、体外循環装置という器械を用いて、腕の静脈から血液を体外に引き出し、特殊なカラム(筒)に通して白血球を吸着・除去した後、再び体内に戻すというものです。当クリニックでは、顆粒球や単球を除去する顆粒球吸着除去療法(GCAP)を使用しています。ステロイド治療で効果が得られない患者さんに使用されます。通常は一連の治療として最大10回(1回60分)まで行います。

外科的治療

多くの場合は内科的治療で症状が改善しますが、内科的治療では十分な効果が得られない重症例や大出血、穿孔、中毒性巨大結腸症、癌化などの重大な合併症には手術が適応になります。
潰瘍性大腸炎は基本的に病変が大腸に限局するので、大腸全摘出が基本となります。現在は自分の肛門で自然に排便することができるよう、肛門を温存する手術方法が主流になっています。

クローン病

クローン病とは

クローン病は炎症性腸疾患のひとつで、主に小腸や大腸などの消化管に炎症が起きることによりびらんや潰瘍ができる原因不明の慢性の病気です。主な症状は、腹痛、下痢、血便、発熱、肛門付近の痛みや腫れ、体重減少などがあります。炎症は、消化管全体に起きますが、回腸末端に好発し、潰瘍性大腸炎のように連続性はなく限局的で多発し、潰瘍が深いのが特徴です。また、治療を行って寛解状態になっても、再燃しやすく、病所は徐々に悪化していくと考えられています。10代後半から20代前半の若者に好発し、患者数は年々増加し、現在約4万人です。

治療法

薬物療法

薬物療法としては、5-ASA製剤が基本薬となり、炎症が強い場合には、ステロイドが用いられます。その他に、免疫調節剤や生物学的製剤などが用いられることもあります。

●5-ASA製剤(メサラジン、サラゾスルファピリジン)
腸の炎症を鎮める働きがあります。活動期の症状改善と寛解を維持するために使用されます。

●副腎皮質ホルモン(ブレドニゾロン、ブデソニド)
ブレドニゾロンは強力な炎症抑制作用を示す薬剤で、活動期に炎症を落ち着かせて寛解を導入する効果に優れています。ブデソニドは全身性の副作用が軽減され、軽症~中等症の場合に用いられます。

●免疫調整薬(アザチオプリン、6-メルカプトプリン)
クローン病には過剰な免疫反応が関係していると考えられています。この薬は免疫反応を抑制するものです。薬剤の濃度が安定するまで数ヵ月かかる場合がありますが、活動期の症状を寛解に導く効果と寛解を維持する効果、ステロイドの使用量を減らす効果があります。

●生物学的製剤(抗TNF-α抗体製剤:インフリキシマブ、アダリムマブ)
クローン病ではTNF-αという体内物質が過剰に作り出され、これが炎症を引き起こしていることがわかっています。このTNF-αの働きを抑える薬です。

栄養療法

食事からの刺激を減らして腸の炎症を鎮めつつ、栄養状態を改善していくために、栄養剤を投与する治療方法です。経腸栄養療法と完全静脈栄養療法があります。

●経腸栄養療法
液体の栄養剤を口から服用するか、鼻からチューブを入れて投与します。消化の過程を必要としない成分栄養剤(エレンタール)・消化態栄養剤(ツインライン)と、消化の過程を必要とする半消化態栄養剤(ラコール)があります。

●完全静脈栄養法
重度の狭窄がある場合、広範囲な小腸病変が存在する場合、経腸栄養療法を行えない場合などに用いられます。太い静脈にカテーテルを留置して高濃度の栄養輸液を投与します。

血球成分吸着除去療法

クローン病は、活性化した白血球が関与していると推測されています。そこで、それを除去することで、病変部位の炎症や症状の改善を得ようと期待して開発されたのが血球成分吸着除去療法です。

治療方法は、体外循環装置という器械を用いて、腕の静脈から血液を体外に引き出し、特殊なカラム(筒)に通して白血球を吸着・除去した後、再び体内に戻すというものです。当クリニックでは、顆粒球や単球を除去する顆粒球吸着除去療法(GCAP)を使用しています。ステロイド治療で効果が得られない患者さんに使用されます。通常は一連の治療として最大10回(1回60分)まで行います。

外科的治療

栄養療法や薬物療法のみでコントロールすることが難しい狭窄や痔瘻などの肛門病変には外科的治療が選択されることがあります。

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